取締役 店舗運営統括 乾 亮太 様
導入の背景:【付箋地獄からの解放】付箋だらけの事務所と、予算調整の限界
Q. 現在の店舗運営における課題や、シェアフルシフト導入前のシフト管理の状況について教えてください。
以前はExcelでシフトを管理していましたが、スタッフからの希望シフトはLINEや紙など、さまざまな方法で届いていました。そのため事務所にはメモや付箋があふれ、店長たちはそれらを集約してExcelへ転記する作業に多くの時間を費やしていたんです。
まさに「付箋地獄」のような状態でしたね。
また、シフト作成自体は15日単位、つまり前半と後半に分けて作っていて、月の労働時間から逆算して調整はしていたんです。ただ、現場の店長にとっては、決められた予算や時間内にシフトをピタッと収める調整作業がとにかく大きな負担でした。
飲食ってどうしても急にバタバタすることがありますからね。忙しい日に労働時間が数分単位で延びてしまっても、店長にはそれを毎日システム上で細かく修正している時間なんてないんですよ。その結果、月末になってみたら月間の労働時間が予算から大きくズレていた、なんていうのが当時の大きな課題でした。
Q. 労働時間管理において、制度面での変更もあったのでしょうか。
ええ、そうなんですよ。労働時間の管理をもっと柔軟にするために、会社として「変形労働時間制※」を導入しました。やっぱり飲食店は曜日や時間帯によって忙しさの波が大きいですからね。固定的な時間管理よりも、状況に応じて柔軟に労働時間を設計できる仕組みが必要だと感じていました。そうした背景もあり、シフト管理のあり方そのものを見直す中でシェアフルシフトの導入を決めました。
※変形労働時間制:一定期間(1か月など)の中で労働時間を割り振り、週平均の労働時間が法的な基準を超えない範囲で、日によって柔軟に労働時間を設定できる制度。
選定の理由:本部と現場、双方の負担を解消できる仕組み
Q. 数あるシフト管理ツールの中から、シェアフルシフトを選ばれた決め手は何ですか。
一番大きかったのは、やっぱりマネージャーや本部の目線から「全店舗のシフト状況がPC1台で一括管理できる」という点ですよね。それに現場目線で言っても、アルバイトスタッフが自分のスマホアプリからスケジュールを直接提出できて、それがそのままシフト表に自動で反映される。この利便性は本当に魅力的でした。
本部にとっても現場にとっても、これまでのアナログな管理コストをまとめて解消できるインフラになるなと感じたことが、移行を決めた大きな理由ですね。
導入後の効果①:「付箋地獄」から脱却。集約業務は3時間から1時間へ
Q. 実際に導入されてから、本部や現場での効果実感はいかがでしょうか.
本部側に関しては、本当に楽になりましたよ。前は各店舗から共有フォルダに送られてくるExcelファイルを、1枚ずつ開いて確認していくっていう、なかなかの作業をやっていたんです。それが今ではPC1台で全店の状況が一元管理できるようになって、確認の工数が大幅に減りました。以前は集約するだけで2〜3時間かかっていた業務が、今では1時間以内で終わるようになったので、業務効率は半分以下、いやそれ以上に劇的に変わりましたね。
現場側では、スタッフがアプリから希望シフトを提出すると自動で反映されるため、店長がメモや付箋を整理しながらシフトを作成する必要もなくなりました。かつて事務所のデスクを占領していたメモや付箋の山も姿を消し、現場の管理負担は大きく軽減されたと思います。
さらに印象的だったのは、変形労働時間制への移行という制度変更を伴うタイミングだったにもかかわらず、新しい運用が想像以上にスムーズに定着したことです。
シフト提出や管理がアプリ上で完結するようになったことで、スタッフ側からのアレルギー反応みたいなものは特になくて、大きな抵抗の声が上がることもなく、現場も自然に新しい体制へ移行することができました。
導入後の効果②:月末の「後手対応」から、事前の人件費コントロールへ
Q. 人件費管理の面ではどのような変化がありましたか。
シフト状況がリアルタイムで見えるようになったおかげで、本部から事前にアドバイスができるようになったんですよ。例えば、「この店舗、売上の割に人件費が多くなりそうだな」と思ったら、月末を待たずに調整の提案ができるんです。
今までは月末になってから「ちょっと時間が多かったね」っていう後手後手の指摘(振り返り)になっていたのが、途中の段階で軌道修正できる先手アプローチができるようになった。この差はすごく大きくて、結果として全体の人件費を1%から1.5%程度、しっかり抑えて走れるようになりました。人件費のバラつきがなくなって、店舗運営がすごく安定してきたなと実感しています。
目指せスーパーサイヤ人!「栽培マン」から育てる現場の遊び心
Q. 現場の店長やスタッフへの浸透において、何か工夫されたポイントはありますか。
現場の店長たちって、やっぱり昔ながらのアナログな環境に慣れている人が多かったんですよね。だから急にデジタルなツールが入ってくるとなかなか順応できないだろうなと思って、初期は総務やシェアフルさんを交えた説明会を3〜4回くらい、根気よく実施しました。その上で、現場に楽しんで馴染んでもらうために、ちょっと面白い工夫を仕掛けたんです。
1つ目は、スタッフみんなが楽しみながらアプリを使えるような「遊び心」ですね。
シェアフルシフトって、シフト表のポジション(役割)名を自由に決められる機能があるじゃないですか。あそこに、あえてアニメのキャラクター名を設定してみたんです。
実はこれ、私がまだ店長だった当時に検証店舗として最初にアプリを触らせてもらった時、「どうやったら面白くやれるかな」と思って始めたのがきっかけなんですよ。
例えば、ガンダムが好きなスタッフがシフトに入る時は、そのポジション名を『ガンダム』にして画面に出るようにしてみたり。そうするとスタッフもちょっと嬉しくなって、素直にアプリを受け入れてくれたんですよね。
まあ、その時は後で上長からはきっちり怒られちゃったんですけどね(笑)。
でも、その私の“遊び心”が、今でも他の店舗の店長たちに良い形で引き継がれて、さらに進化しているんですよ。
今なんて、ある店舗ではシフト表のポジションが全員ドラゴンボールのキャラクターになっていたりするんです。仕事が覚えたての新人の子は「栽培マン」っていうちょっと弱いキャラに設定して、「早く仕事を覚えてサイヤ人になろうな!」なんて声をかけながら、教育やスタッフのモチベーションアップに上手く繋げたりしています。とにかく「こっちのほうが楽だし、何よりオモロいな」って店長たちに植え付けることを意識していましたね。
Q. デジタルツールへの抵抗感を持つ店長へのアプローチはありましたか。
それが2つ目の工夫で、どうしても「Excelのほうがやりやすい」って固執する店長に対する「ボトムアップの攻め方」です。店長がなかなか動いてくれないなら、先にアルバイトスタッフ全員にアプリをダウンロードさせちゃって、アプリから希望を出してもらうようにした店舗もありました。
そうすると、店長が何もしなくても「ほら、もうアプリに希望が集まってんで」っていう状態が作れるじゃないですか。そしたら店長も「あれ、触ってみたらExcel打つより全然簡単やん」って納得して使い始めてくれたんですよね。今では提出期限の一括配信(通知)もできるので、店長がシフト集めで奔走するストレスは完全になくなりましたよ。
おわりに:管理業務はAIに任せ、店長は「人間にしかできない仕事」へ
Q. 長期的な今後の展望や、これから目指す店舗運営のあり方を教えてください。
今後は、シェアフルシフトの中で「店舗運営がオールインワンで完結する形」を目指したいなと思っています。具体的には、タイムカードや最後の勤怠管理、月末の締め作業までを全部一括で連動させたいですね。シフトを組んだら、あとはスタッフがタイムカードを押すだけで月末の処理までシームレスに終わる、みたいな流れが理想です。
それから、売上管理データとの自動連携にもすごく期待しています。今も一部の店長は売上予測を入力して人件費率の自動計算を使っていますが、やっぱり手入力だと少し手間に感じる部分もあるんですよね。将来的にはAIを活用した売上予測なんかとも連携して、売上データが連動すれば、それに合わせた最適なシフト構成が自動で提案されるような、さらなる自動化・省力化を進めていきたいです。
AIやシステムが進化して、どんどん僕たちの仕事(管理業務)を取っていってくれたら、むしろ大歓迎ですし本当に助かります(笑)。そういう面倒な管理業務はテクノロジーにどんどん任せてしまって、店長たちには、スタッフの教育だったり、お客様に喜ばれる店づくりといった、「人間にしかできない領域の仕事」にしっかり時間を割いてもらいたいなと思っています。店長たちがもっと楽に、もっとスムーズに店舗を回していけるような環境を、これからも一緒に作っていけたら嬉しいですね。
編集後記
新しいツールの導入という大きな変化に対して、ただ効率や統制を押し付けるのではなく、「どうすれば現場が面白く、楽しんで取り組めるか」というまさに関西魂感じる工夫をベースに、店長やスタッフを前向きに巻き込んでいかれた姿勢に、深い現場愛とホスピタリティを感じました。
楽しみながら今をより良くしていく姿勢が、大阪王将が長年多くのお客様に愛され続ける理由なのだと実感しました。
現場の皆様が日々の仕事をより一層楽しみ、そのポテンシャルを発揮できるよう、これからも良きパートナーとして、テクノロジーの力で伴走してまいります。 ありがとうございました!
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