事業責任者 田澤 克則 氏
プロジェクト推進担当(HR担当者) 平山 博之 氏
導入の背景:ルールなきバラバラの管理と「休めない現場」の悲鳴
Q. 今回、シフト管理システムを検討されるにいたった、当時の背景から教えていただけますか?
A. (田澤)
私がこの会社に来た約3年前、お店の中の困りごとをなくしていきたいと思ってヒアリングをしたのがすべての始まりなんですよ。
最初に上がってきたのが、人がいない、責任者(リーダー)が休みを取れないという切実な課題でした。さらに「何が一番大変ですか?」と聞くと、みんな「シフトを作るのが一番大変だ」と言うわけです。
当時はシフト作成のルールや希望の収集方法がお店ごとにバラバラで、紙に書いて出す人もいれば口頭で伝える人もいるような状態でした。
毎月10日までに次のスケジュールを出してくださいと言ってもルールが守られる風土がなく、直前になって「やっぱりこの日出られないです」と言われては、せっかく作ったシフトをまた一から触らなければならなかったんですよね。
Q. 全店展開にあたって、現場のITに対する抵抗感や懸念はありましたか?
A. (平山)
私は当時、東大宮弐番館の担当エリアマネージャーをしていて、当時のリーダーと最初の実証実験(POC)の旗振りを任されたのですが、情報もよくわからない状態でしたので「やってみないと分からない」というのが率直な感想でした。
今までやってたやり方とガラリと変わるので、最初に触ったときは正直「やりにくいな」という印象がありましたね。何のツールでも最初に感じることは大体これかなと思います。
A. (田澤)
うちの現場は調理をメインとする社員が多く、日頃はフライパンと鍋しか振っていないので、パソコンやマウスをいじることに苦手意識がある人が多いんです。
新しくなることへの抵抗は年齢層に関わらずありましたから、これは一種の「意識革命」だなと感じていました。
ですから、システムを入れる前の準備段階として、まずは各店舗に1日の理想的な人員配置である「モデルワーク」を作らせることからスタートしました。
選定の理由:ボタン一つで完結する「理想の未来」と二度打ちをなくす勤怠連携
Q. 数あるツールの中から、インフラとして「シェアフルシフト」を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
A. (田澤)
実は私の中に、前職の経験から温めていた明確な理想のビジョンがあったんですよ。
先ほどのモデルワークのような基準を作り、ボタンをピッと押すと自動でそれに沿ったシフトができちゃう。
そして人が足りない枠には店舗間のヘルプが自動で入ってきて、それでも埋まらなければ自動的にシェアフル(スキマバイト)に求人が掲載されるという仕組みです。
当時のシェアフルシフト担当者の方にこの夢をすべて語ったところ、「できますよ!」と力強い回答をいただいたのが大きなきっかけですね。
さらに、社内で労務管理に利用している「KING OG TIME(KOT)」と連携できることも絶対に外せない条件でした。
同じデータを何度も打つような無駄な業務は店舗のリーダーにさせたくなかったですからね。最初は社内での連携調整に少し苦労しましたが、労務担当を動かして無事に連携を達成できました。
これをやることでどんなメリットがあるのかを明確にして、お客様、従業員、会社の「3者全員の満足」を目指したかったんです。
導入後の効果:エリアマネージャーの負担軽減と現場に寄り添う推進力
── エリアマネージャーの月間100数十時間削減!月初の「入力地獄」からの完全解放
Q. 導入後、本部やエリアマネージャーの皆様の業務にはどのような定量成果がありましたか?
A. (平山)導入にあたって作業時間を算出した結果、全エリアのマネージャー(当時7名)合計で1ヶ月あたり約100数十時間もの業務時間を削減できる見込みが立ちました。
特に大きな恩恵として、KOTの勤怠を締めていく中でシェアフルシフト導入前にやっていた、月末月初に集中する莫大な作業が軽減されたことですね。ここはすでにみんな恩恵を受けられていると思います。
また、実際に触っていくと「やっていること自体は変わらないし、管理もシェアフルシフトの方が断然できる」ということがどんどん分かってくるんですよ。
デメリットがある中でもメリットの方が断然大きいと感じました。
アカウントに入れば日本全国の拠点のシフトが全部見れるので、みんなとスケジュール調整する時に誰に連絡することもなく画面上で完結できるようになったのは、すごく手応えを感じたポイントですね。
─ 「見づらい」の不満を逆手に。自作フォーマットと二人三脚の対面フォロー
Q. パソコンに苦手意識のある店舗へシステムを浸透させるために、どのような工夫をされたのでしょうか?
A. (田澤)全店展開の際は一気にやるのではなく、目的を理解してくれた東京エリアからスタートし、前向きなリーダーがいる店舗を「トレーナー」として周りに広げていくロードマップを組んで進めていく工夫をしました。
私自身、毎月必ず全店舗へ臨店しているのですが、今まで現場に貼ってあった手書きやExcelの古いシフト表が、シェアフルシフトからの印刷物に変わっているのをお店で見た時ですね、「ああ、浸透してきているな」と手応えを実感しました。
A. (平山)現場での実務が始まると生々しいハレーションもありました。
システムからの印刷物に変わったとき、スタッフから「慣れなくて見づらい」と声が上がり、わざわざ手動で元のExcelの形に打ち替えてしまう店舗まで出たんです。
田澤からも「そんな無駄なことはさせるな」と指示があり、そこで私が、シェアフルシフトのデータを活用しつつ、現場が要望する通りの見慣れたフォーマットで綺麗に印刷できるシートを自作して配ったんですよ。
また、全体の展開段階ではシェアフルの川原様にご協力をいただきました。
ステップごとに現場向けの勉強会を開いてもらったり、進捗状況を細かくリマインドしていただいたりしましたね。
どうしても進捗が遅れてしまう5〜6店舗に対しては、川原様にもご協力いただきながら実際に店舗へ訪問し、対面で画面を触りながら丁寧にフォローしていきました。
また、分からないことがあればすぐに電話して相談できる環境があったことも、定着の大きな要因ですね。
ただ、皆への回答・リーダーへの落とし込みには、当時の各エリアマネージャーが苦労したと思います。よく質問が来ていましたが、エリアマネージャー自身が理解できないと店舗へ説明できないですから。
おわりに:すべてが一つに繋がる、次世代プラットフォームへの展望
Q. 今回の取り組みを踏まえ、今後のビジョンやシステムへの期待を教えていただけますでしょうか?
A. (田澤)
これからは労働人口が減る中で、いかに生産性を高めていくかが重要になりますから、ゆくゆくは人件費の管理をすべてシェアフルシフトでやりたいと考えているんです。
1ヶ月あたりの労働時間上限の制約を定めておき、それをオーバーするスケジュールは現場では引けないようにして、超える場合はマネージャーに承認を求めるようなガバナンス統制を敷きたいですね。
将来的には、自動計画で不足が出たら、店舗内ヘルプ調整へ、それでもダメならスキマバイト募集へと、AIが分析して自動で求人まで出してくれる仕組みになることを期待しています。
A. (平山)
私は5、6年後などの未来像として、このシェアフルシフトを開いたらすべての業務が完結する状態にしたいですね。
シフト管理やKOT連携はもちろん、打刻管理のエラー可視化、体験バイトの自動運用。
さらには、ボタンを押すだけでインディードなど各企業が希望する外部募集媒体に求人が連携されるような拡張性です。システムの中で面接機能まで持たせつつ、複数の媒体へも連携してこの中だけでシームレスに完結できたら、すごくやりやすくなりますよね。
【編集後記】
今回の取材を通じて強く印象に残ったのは、事業責任者である田澤氏が描く、極めて解像度の高い「ゴールのビジョン」の存在です。そして、その理想を現場のリアルな運用へと落とし込み、強力に推進した平山氏との強固なタッグこそが、短期間での全店導入を成し遂げた原動力にほかなりません。
「ボタン一つでシフトが完成し、不足分は自動で求人連携される」というブレない理想が常に共有されていたからこそ、現場も迷うことなく新たな変革へと踏み出せたのだと感じます。
私たちシェアフルシフトも、単なるシステム提供の枠を超え、お二人が描く「AIによるシフト自動作成と労務管理がシームレスに完結するプラットフォーム」という理想の未来を共に築くパートナーでありたいと考えています。
今後も現場のリアルな声に徹底的に寄り添い、変革に挑むすべての企業様に伴走し続けてまいります。
貴重なお話をありがとうございました!
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